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流産・死産・新生児死・人工死産などでお子さまを亡くした女性とご家族のグリーフサポートをしているピアサポートグループのNagomiです。
今回は、Nagomi に届いたいくつかのお問い合わせの中から気になった内容についてご紹介します。
今回のテーマは、様々な意見が挙げられる内容かもしれません。しかし、子どもを見送るまでの時間をもう少し伸ばしたいと願うご家族にとって、参考になる内容かもしれません。下記に記載する内容は、ご経験者の実験談と実際のお声となります。大切なわが子と過ごしたご経験について1名の方からお話を伺うこともできましたのでご紹介いたします。
また、センシティブな内容でもあります。ご自身・ご家族の思いを大切にした上で、ご家族の選択肢を少し広げてあげることができたら幸いです。
Q1:「病院では早く火葬をした方が良いと説明を受けましたが、赤ちゃんと一緒に自宅に帰りたいです。できれば1週間ほど、自宅でゆっくりしたいのですがどうしたらよろしいでしょうか?」
お問い合わせ者:Aさん、妊娠21週で人工死産を経験
Aさんの場合、病院スタッフが「早く火葬をした方が良い」という説明を受けています。病院スタッフがこの説明でAさんに伝えたいことは、体が未熟な赤ちゃんの外観(見た目)の変化を心配しているかと思います。徐々に変化する(腐敗が進む)赤ちゃんのからだをみるのは、さらに悲しみが増すかもしれないという思いから、このように「早く火葬をした方が良い」と伝えたとのだと考えています。赤ちゃんの腐敗の進行、それに伴う感染症のことも考慮して、柔らかく説明されたと考えています。しかし、このような曖昧な説明の場合、Aさんはなぜ、火葬を早く済ませたほうがいいのか理解できないままとなってしまっています。この場合は、早く火葬をしてあげた方がよい理由を伝え、もしご家族が赤ちゃんと一緒にいたいという希望がある場合は、赤ちゃんの状態に合わせた赤ちゃんへのお世話(赤ちゃんの滲出液、血液などの扱い方、沐浴・保湿などの清潔を保つ方法、冷却など)について、アドバイスできることが望ましかったと考えています。
また、亡くなった赤ちゃん(遺体)は、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づく火葬(または埋葬)する必要がありますが、火葬はいつまでにしなければならないという決まりはありません。そのため、赤ちゃんを自宅に連れて帰り、数日いっしょに過ごすという家族も多くいらっしゃいます。
Q2:「(入院中)子宮内胎児死亡と宣告を受け、その翌日に入院、出産となりました。頭が真っ白で、現実を受け入れられません。わが子にも会いたい気持ちもありますが心の整理がつかず会うことができません。このまま、お別れとなってしまうのも心残りです。どうしたらいいでしょうか。」
お問い合わせ者:Bさん、妊娠33週5日子宮内胎児死亡を経験
わが子を亡くすという突然の出来事で、現実を受け入れられない方は少なくありません。Bさんのように宣告後、ショックを受け、頭の中が真っ白の中で決断や行動することは、とても大変なことです。感情がショック状態で「会えないまま」にしてしまったら、後になってから「会えば良かった」という気持ちになることも十分にあります。同じ人でも、その時、その時、1日の中もで気持ちは変わることがあります。感情面ではなく、身体的に難しい方もいます。赤ちゃんに会いたくてもお母さんの場合は、産後のからだの変化(会陰や帝王切開の痛み・後陣痛、貧血症状など)のため、赤ちゃんに会える状態ではない場合もあります。
見送りまでの時間を延ばす方法のに「エンバーミング」というやり方があります
一般社団法人日本遺体衛星保全協会※エンバーミングとは、ご遺体を衛生的に保全することでご遺族への感染を防ぐのはもちろんのこと、一定期間、衛生的に維持でき、親族・友人らとの最後のお別れもしっかりできるところにあります。ご遺体の保存・防腐・殺菌・修復を目的に、専門の資格を有する「エンバーマー」が行う特殊な処置のことを行い、ご遺体を10日間~2週間程度腐敗させることなく保存できる処置のことを言います。
ドライアイスや、保冷剤などで遺体を冷却することででは、腐敗の進行を遅くすることはできますが、腐敗を止めることができないということと、感染症の恐れがあるということです。
一般社団法人日本遺体衛星保全協https://www.embalming.jp/embalming/
エンバーミングを行ったケース
18トリソミーで生まれたCちゃんは、生後186日(6ヶ月2日)でお空へ帰りました。
最期は、自宅に連れて帰りたいという家族の希望を医師に伝えましが、人工呼吸器での管理であったため難しいという説明を受けました。Cちゃんと同じ18トリソミーで生まれた子のママたちに相談したところ、「エンバーミング」というのを教えてもらいました。家族で話し合い、エンバーミングを実施することにしました。Cちゃんが息を引き取り、葬儀までの1週間ちょっと特別なことはしていませんが、葬儀会社の方が行ってくれたエンバーミングのお陰で、自宅にCちゃんを連れて帰ることができました。そして、何より、上の子2人とCちゃんが触れ合える時間がたくさん取れたこと、そして、家族5人が揃った時間をつくることができたことが本当に幸せでした。
Cちゃんに管(人工呼吸器)が抜けたお顔での写真も撮れましたし、抱っこも自由にできました。着せたいお洋服にもお着替えさせることができました。「もっとよくを言えば、いろいろな所に連れてってあげれば良かったな、もっともっとずっと抱っこしていれば良かったなと悔やむことがありますが、エンバーミングしたからこその気持ちなのかなと思っています」と。「Cちゃんが生きている間に、家族5人が家で過ごすということができなかったので、エンバーミングは私たち家族の夢を叶えてくれたと思っています。」と話してくれました。
日本のエンバーミングについて
〈全国のエンバーミングセンター数〉
全国の27都道府県、27事業会社、76センター(2022年4月30日時点)
・北海道、東北(岩手・山形・宮城・福島)
・関東(茨城・栃木・千葉・埼玉・東京・神奈川)
・中部(新潟・福井・山梨・静岡・愛知・岐阜)
・関西(京都・大阪・三重・兵庫)
・中国(岡山・広島)
・九州(福岡・大分・熊本・鹿児島)
〈エンバーミングの費用〉
一般社団法人日本遺体衛星保全協会が定める基本料金の相場は、15万〜25万円。そのため、各社で違いはほとんどないようです。
参考:https://www.wagaya-ososhiki.com/column/what-is-embalming/