プロフィール
Nさん/1994年生まれ
2020年:第一子出産
2023年:第二子を妊娠18週5日に流産
2024年:第三子出産
#不妊治療 #絨毛膜羊膜炎 #前期破水 #後期流産 #子宮内感染
出血・入院の繰り返し
妊娠16週6日、深夜寝ている間に突然の鮮血の出血で目が覚めました。胎動はあったのと、個人クリニックに通院していたため翌朝まで様子みることにしました。翌朝受診し、赤ちゃんは無事なことがわかりました。その後3日間入院となりました。それからは自宅安静ということで退院となりました。翌々日の妊娠17週6日に出血し、入院となり、その4日後に完全破水となりました。子宮内に羊水がない状態なので、胎動をダイレクトに感じていました。胎動を感じる度に愛おしさが込み上げてきました。私にいまできることはないか、お腹の赤ちゃんはこの後どうなってしまうのだろうかと恐怖と不安でいっぱいになり、インターネットで同じような経験をした人のブログを読みあさりました。でも分かったことは、赤ちゃんは助かる可能性が低いということでした。
絨毛膜羊膜炎とは、日本産婦人科医会によると、絨毛膜羊膜炎は、腟からの上行性感染により細菌が絨毛膜羊膜に至り、そこに止まっている状態を指す。この細菌が、破水などにより子宮腔内へ波及した状態が子宮内感染症である。もともと絨毛膜羊膜炎は、分娩後の胎盤病理検査から確立された概念。
日本産婦人科医会・絨毛膜羊膜炎前期破水とは、
前期破水とは、みんなの家庭の医学によると、分娩よりも前に胎児を包む卵膜が破れて、なかにある羊水が流れ出てくる「破水」が起きるのが前期破水です。本来は分娩時に胎児とともに流れ出て、分娩をスムーズにさせる役割をもっていますが、胎児より先に羊水だけ流れ出てしまいます。羊水が減少すると子宮腔内が狭くなり、胎児は圧迫されます。また、臍帯も圧迫されて血流が滞り、胎児は危険な状態に陥るため、緊急に適切な処置を行う必要があります。
みんなの家庭の医学・前期破水
助産師の「何度経験しても慣れないね」
妊娠18週5日、お腹の張りを感じ、陣痛が始まって出産となりました。破水してから2日後のことでした。コロナ渦が落ち着かない時期ではありましたが、立ち会い出産をさせてもらいました。生まれてきたわが子は、息をしていませんでしたがとっても可愛かったです。病棟の助産師は、赤ちゃんにしたいこと・してあげたいことはありますか?と優しく聞いてくれました。入院中にわが子の足形をとってくれプレゼントしてくれまいた。助産師が「こんなにきれいに取れましたよ〜」と話してくれた時は嬉しかったです(写真2)。元気に生まれてくる赤ちゃんが圧倒的い多いのに、私のように赤ちゃんが亡くなってしまうケースを任されるのは大変だと思います。助産師と会話していると、「何度やっても慣れないね」という助産師の心の声が聞けた時に、私はなんだかほっとしました。助産師などの医療の現場では、患者さんに弱音などは吐かないイメージがありましたが、このように助産師さんから心の声を伝えてくれると、助産師さんもやっぱりそうなのかと思え、心を閉ざさずにすめた気がします。
火葬まで3日ほどありました。冬場とはいえ暖かい部屋だと赤ちゃんの状態が悪くなる可能性があると言われてたため、赤ちゃんは葬儀会社に預けることにしました。赤ちゃんを預けている間、骨壷を置くスペースづくりをしていました。わが子を早く自宅に連れて帰りたいという思いと、身近にわが子の存在を感じることができるようにという思いでスペースをつくりました。
私だけではないんだって
産後1ヶ月検診後、流産を経験した助産師と話す機会がありました。同じような経験をした方と話すのは、私だけではないんだって思え心がホッとしました。また、産後休業が終わり仕事復帰すると、たまたま同僚と話す機会がありました。その時にその同僚も流産の経験があることを話してくれ、思っていたより身近にこのような経験をしている人がいることを知りました。私だけが不幸だと思っていましたが、そんなことはなく、同じように辛くて悲しい経験をしている方がいるんだって思いました。
乗り越えるものではなく寄り添うもの
赤ちゃんを亡くした悲しみは、「乗り越えるものではなく寄り添うもの」という記事を読み、考えが改まりました。それまでは、早く乗り越えないとという気持ちが強く、どうしたら乗り越えられるのかと焦っている自分がいました。でも、この悲しみを乗り越えるものではないという言葉を聞いた時、肩の荷が降りたように、心にしっくりきました。
悲しみと程よい距離を保って、自分の心と向き合っています
わが子を亡くした悲しみや赤ちゃんと過ごした時間などは、あえて思い出さないようにしたり、逆に向き合い過ぎることはしないようにしています。日常生活の中で思い出し、会話に盛り込むようにしています。また、1人目の子は不妊治療で授かったので、きっと2人目も不妊治療が必要だと思い込んでいました。でも、そろそろ2人目が欲しいなっていうタイミングで自然にお腹に来てくれたんです。とても嬉しかったですね。だから、この子は私たち夫婦に希望を与えてくれたんだって思っています。
⚠️いのちのSTORYは、当事者の実体験を記しています。そのため、なるべく当事者の言葉をそのまま使用することを重視しています。
⚠️お子さまを亡くされたご家族が深い悲しみの中、他にお子さまを亡くされたご家族の力になれればという想いから、記事にご協力くださいました。ご家族のご経験やお子さまへの想い・気持ちを守るために、当サイトの内容や画像の無断転載・無断使用は固く禁じております。ご理解いただけますと幸いです。